openLCA で、ecoinvent 実装の「IPCC 2021 climate change: biogenic - global warming potential」の影響カテゴリを使っています。このカテゴリでは「carbon dioxide, non-fossil」が計上されていません。
非化石の CO₂ を biogenic の結果に含める方法はあるのでしょうか。
1 件の回答
IPCC 2021 の標準で推奨される考え方では、生物由来 CO₂ の吸収と排出の影響を正味ゼロとみなすからです。 生物由来の炭素はいずれ大気に戻ると考えられる、いくらか安全側の考え方です。この結果「carbon dioxide, non-fossil」と「carbon dioxide, in air」の係数はゼロになり、係数ゼロのものは通常は表から省かれるため、カテゴリに出てきません。欠けているわけではありません。ecoinvent 実装の IPCC 2021 は ecoinvent データベースとだけ互換で、生物由来 CO₂ は正しくゼロになっています(対応表は ecoinvent の GitHub で公開されています)。
生物由来炭素を数えたいなら、まず数える考え方の既製の手法を見ます。 openLCA 手法パックの「IPCC 2021 (ISO 14067)」には、生物由来の排出と吸収(removals)の影響カテゴリがそれぞれあります。ISO 14067 は生物由来炭素を明示的に追う -1/+1 の考え方を使います。ecoinvent 3.11 の LCIA 手法にも「IPCC 2021 (incl. biogenic CO2)」があり、生物由来の吸収のカテゴリを持っています。
既製の手法を使わず、ecoinvent 実装の IPCC 2021 のカテゴリを自分で直す場合は、変更の前にカテゴリのコピーを作り、コピーの特性化係数を次のように変えます。EF 3.1 をもとに気候変動へ IPCC 2021 を使う EN15804 の手法に近い形になります。
- 「Carbon dioxide, non-fossil」の基本フローをすべて +1 で足す
- 「Carbon dioxide, in air」を -1 で足す
- 「Carbon dioxide, non-fossil, resource correction」を -1 で足す
- 「Methane, non-fossil」をすべて 27.0 から 29.8 に変える
完全なライフサイクルをモデル化し、数千年続くような大きな炭素の吸収源が無いなら、-1/+1 で追っても 0/0 にしても理論上は差が出ないはずです。一方で、放出が後に続かない不完全な cradle-to-gate の LCA で吸収を明示的に数えると、吸収分だけが有利に効き、根拠のない炭素クレジットや低いカーボンフットプリントの主張につながるおそれがあります。係数に 0/1 のパラメータを掛けておくと、生物由来炭素を数えるかどうかを計算ごとに切り替えられます。こうしたモデル化をしたことは、LCA の目的と調査範囲(goal and scope)に書いておきます。
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- ecoinvent の IPCC 2021 対応表(ecoinvent 3.10 用)GitHub
